天文台の意義
天文ジャーナリスト 大野裕明
1)
天文台の必要性
最近理科離れの子供たちが多くなったと世相が見ている。
このような子供たちが増えた要因としてテレビゲームに始まりパソコン活用など屋内で過ごす時間が多くアウトドア的な活動が少なくなったとみられる。
自然の中でも自宅のベランダからも鑑賞できるものが天体であり手近なものである。
しかし星座鑑賞なら肉眼でもできるものの例えば月のクレータや土星の輪その他の星々を大きく見たいという希望を叶えるには「望遠鏡」という道具が必要になってくる。
天文台の望遠鏡は宇宙の覗き窓的存在である。
2)
望遠鏡の自動化
望遠鏡も最近では天文に興味を持たない始めての担当者が扱うにも便利なように天体をパソコンにより自動的に導入できるシステムが用意されている。
天体の位置、新発見された彗星などの情報や位置はインターネットで入手できる。そしてそのまま天文台のパソコンにより望遠鏡をコントロールしそれらの天体をお客様に見せることができる。
要するにパソコンの操作がある程度できれば望遠鏡が自動でやってくれる。
今後、起こりうる担当者が異動により初心者が担当した場合でも即応できるこのような体制の望遠鏡システムを準備しておく必要がある。
3)
市民の憩いの場所
自然の観察ができるエリアとして天文台があり天文台の周辺では係員により星座鑑賞の指導ができる。
又、本館では天体の資料や撮影された写真、隕石の展示など様々体験できるような環境があれば望ましい。
4)
学校教育を担う
小学4年生と中学3年生が星の動きを学習している。
特に4年生は「星の動きと月の動き」について学び天文台でそのことが実践的に学ぶことができる。
5)
学校教員の研修、研鑽
学校教員も自分の市町村内の天文台で子供たちの教育促進で研修する場が与えられれば理科教員ならずとも学べる。管轄外への出張扱いより近郊の施設利用になれば気安くそして多めにその時間が取得できる。
6)
体験学習
自然教育に必要な項目に「体験学習」がある。
夜空に輝く星々を実際の目で観察できる喜びは大きいものがある。
また天文台の中の大きな望遠鏡一台ばかりでなく構造や手軽に操作できる小型の移動できる望遠鏡を複数台準備したい。
7)
天文現象に対応
四季の星座鑑賞はもとより日食、月食や新天体出現の場合、特別公開も開催すると良い。
8)
天文学(楽)教室の開催
外部からの天文学者や天文愛好者による講義や講演会の実施
天文愛好者やボランティアガイドの構築
9)
天文現象の撮影教室
天文台では各自持参のカメラで月のクレータなどを撮影させてあげると素晴らしい記念になった・・・・と評判になるだろう。
また、天文台のカメラで撮影したり撮影させたりするのも一考だ。
10)
暦の学習
一日はどうして過ぎ去るのだろうか。地球はどうして回っているのだろうかという疑問が解消できる。
11)
時間の学習
地球が一回転(自転)することが一日であり太陽の周りを地球が一回転(公転)することが一年という最小単位。
これらを等分することが地球表面上の時間を作っている。
12)
宇宙の生い立ち
約150億年前に「ビックバーン」によって宇宙が開闢した。といわれているがその証拠立てはどこにあるのか。
望遠鏡で銀河などを観察させてこれらの疑問に当たる。
13)
宇宙と地球のかかわり
地球はどうして出来たのだろうか!
との疑問にも答えられるのが天文台である。