直径2.5メートルドーム 苦戦記
自作天文台製作アルバム 
ありがとう!4月22日(土)ほぼ全体が完成しました。ほぼ半年の苦戦でした!

5月1日 命名 
天文台・星の狩人


八角形の多角形構造が当初の計画でした。しかし設計図を作り製作に入ってから球体のドームに変更。
どうにか形になった3月31日の段階で頭に描いた構想とは違いあちらこちらでやり直しの連続。
1月には完成しているはずがのびのびに。そしてようやく4月1日にドームは完成し4月22日にほぼ全体が完成しました。

あとはこまごまとしたのを随時加工して行きます。
ここまでやってきましたが時間と労力を費やしてやるよりやはりメーカーにお任せの
ドームが強風に対しても安全性に対してもお薦めです。
下記のヒューマンコムは以前より私の友人です。私も製作のお手伝いをいたします。声をお掛けください。


観測ドームのヒューマンコム

天体望遠鏡は高橋製作所

★早速、取材の放送あり!FCT(福島中央テレビ)ゴジてれシャトル
 16時50分からの番組 4月24日(月)スタジオで生出演
この手作り天文台の製作過程と「シュワスマン・ワハマン第3彗星」の見所解説。


一代目の天文台
1979年4月24日 白昼の金星観測風景をテレビ取材
福島テレビ18時からのテレポートで生中継をしていただいた。
懐かしい若い頃の光景である。
長男の正裕を抱っこしながら女房も苦慮したろうに・・・・
この観測室は畑の一番東側にセットし周りの民家の明かりと夜な夜な観測するので
迷惑防止の為に囲いをしただけであった。5年ほどこれで続けたろうか。
今回の天文台は三代目になる。
主砲の20p反射望遠鏡は白河天体観測所(チロ天文台)の初代のもので
左側のニコン8cm屈折赤道儀は藤井旭氏からのおゆずりである。
自分でどれだけできるであろうか・・・・
自宅の工場の屋根上に自作天文台を建設中です。
2005年11月より
あることをきっかけに着工(毎日新聞参照)
し始めました。
完成見込みは2月下旬。
 
天気の良い日に雨よけのブルーシートをはずしたところ。
 直径は2.5m 耐水ベニヤ11mm厚を曲線に切りつなぎ
合わせて球体を作ったもの。
その外側にはFRPを張り詰める。
矢印の部分にはこれより25年前に建設した20cm反射望遠鏡の架台
を乗せた基盤が残っていた。4畳半ほどのスライディングルーフの
天文台だったがかの有名な「りんご落下台風」ですっかり飛ばされ
て以来、雨ざらしになっていた。20cm反射望遠鏡は白河天体観
測所(チロ天文台)に入っていた初代のもので(星になったチロの
シリーズ本にも登場している)超有名な人知れた望遠鏡である。
柱は角材でなくホームセンターで購入の外来板を継ぎ接ぎしている。
このあと天板を丸くジグソーで切り抜いた。
側壁は波トタンで覆ってあるが仮の姿である。面積は3畳ほど
丸いレールの部分はこのように板をブロックごとに切ってつないだ。 丸い空が見えた。
 
ドームの骨組みは厚み11mmのベニヤを切ってつないだ。 弧に描き出すとほんのわずかこのような残材が出る。
FRPの型作り。発泡ウレタンを削りだし山を作る。
10mm厚を三枚重ね合わせての作業。
その上に白いパテを塗って滑らかさを出した。
球体に張り詰めるためのFRPブロック。80cm×40p
型の上にガラスウールを乗せたところ。
左側の中央部にひと塗りしてある。
樹脂を塗ったばかりだとガラスウールの平板性が残っていて球体の
端っこはしわがよった状態だが樹脂が浸透してきてローラーで
幾度かこすると球体に馴染んでくる。
ここまでの作業時間は2分ほど。球体にだいぶ馴染んできた。 3分ほどで繊維全体に樹脂が浸透してきた。あとは白く泡の入った
部分を押し出すように丁寧にやる。これを怠ると裏側に浸透しない
繊維分が部分的に残るからやっかいだ。
全体を見るとあちらこちらに気泡のように小さな白いもがまだ有る。
この部分の裏側には樹脂が回りこんでいないので脱泡といい空気抜
きをしっかりこの段階で行わなければいけない。もう少々頑張らねば!
このようなブロックの球面を沢山作った。一枚完成するのに乾燥時間を
入れると2時間から半日かかる。(気温の影響大)
FRPの樹脂と固着剤などの材料 さて、いつになったら天体を見ることができるのだろうか・・・
この専用ローラで空気抜きも行う。型の方にはシリコン樹脂が
塗ってあるから端っこからめくるようにすれば空気が入り込み
綺麗にはがせる。ここまで様々試行錯誤した。
塗料用のバケットを使用。幾度か繰り返し行うと残ったFRPが
この薄っぺらいものを強化してくれがっちりしたものになる。
FRPj樹脂(一斗缶20kg)、近郊の大型塗料店で取り扱っています。
中2日で届きます。
FRP樹脂の固形剤 200:1で使用 
気温にも変化することに注意。テストすること。
望遠鏡は高橋製作所の20p反射望遠鏡。MT200、JP架台
ドームの骨組みのここから見て外がわの部分にはFRPの
ブロックを幾枚か貼ってある。透明ぽいから分かるだろうか?
このように当初は2.8mm厚のベニヤ板を張ったが元々
平面なので球体にはならなくはがした。
全体の外見が角ばった球体になることをおそれFRPの
球体ブロック作戦となった。

外のはしごを昇り降りするわずらわしさから屋根の一部を抜き階段を
作ることにした。
これで雨の日も雪の日もテラスから直接観測室に。
作業もやり易くなった。
しばらくこの写真を使おうかな? 左の写真を撮影するためしばし作業スペースは綺麗になった。
青い筒の奥に天文台に上る階段が見えますか。
バーベキューのレンガはある約束事が
・・・
バーベキューのできるレンガはオーストラリア製で日本のものより少々大き目。約60個使用し2年前に完成。
このテラスも自作である。
オーストラリアのチロ天文台はこのレンガで造られていた。
掃除に行ったその時から自宅に作る決心をしていた。

下記の6コマは藤井旭氏に撮影していただいたものである。
オーストラリアのチロ天文台 広大な敷地にこたつもある観察棟
バーベキュースペース 奇岩のピナクルス
自然公園には沢山のオーストラリア固有の動物が・・・ ここの動物園のコアラは観光客が少ないので毛並みも良い
 
老後はこんな具合に過ごしたいね・・・・としばし女房と真似事をしてみた。
        しかし5コマ撮った後、そそくさと仕事に戻っていった・・・!? 

広告に載ります;福島民報、4月8日付けにあるお酒(洋酒)の
広告に夫婦で出ます。ご覧ください。

この次の日、ロケでした。

       
後ろの25cmドブソニアンは茨城の笹山氏にお任せして、その仲間たちが造り上げてくれたもの。
乗用車でも運べるよう3分割できる。りっぱである。
 

このドブソニアン望遠鏡は藤井旭氏の著書に載るたび模様替えをしているいわば望遠鏡界のモデル的存在である。
いよいよドームの縁の部分の「ねっぱし方」 この貼り付け作業はこの金具が大活躍(100円ショップで購入)
300円の雨具を買ってきてグラスファイバーの繊維が衣服に着かない様
細心の注意が必要だ。
接着剤は搾り出しのシリコンを使用。
設計図とは名ばかりでラフスケッチ風 ドームのおおよその形と寸法さえしっかりとしておけば・・・
ドームは球体を真半分にするのではなく65%として広めに見えるようにした。 建設途中で思いがけなく苦労している部分はスリットの水周りである。
予定に無い作業の開始。3月16日 大きなコンパスは木と釘を利用すれば巨大な円も描ける
弧の部分を描くのだがロスする部分も出てくる ジグソーも今回はかなりの時間使ったので使い慣れした
このテラスも雨の日は大活躍 やがてやってくる彗星はこのように明るくなればいいのだが・・・
天文台作り一休みのひとコマ
3月18日(土)ベガとアルタイルにちなんだベガルタ仙台の応援で白河天体観測所軍団?が
仙台へ乗り込んだ!カメラを持つ藤井旭氏らと共に観戦。
熱狂的だった応援振りにも圧倒されながらドーム作りから離れ楽しいひと時を過ごしてきました。
当初の予定はこのような多角形で設計。
今思い起こせばこの手法で行けばとっくに出来上がっていることであろう。
製作開始直後に急きょこのような円形ドーム型に変更。
それまでのパーツは没で捨てることになった。
3月24日、風邪っぽいですが最後の追い込みを行いこのようにスリット部を仕上げました。右の写真はそのスリット部を途中まで開けた所。
ドームの外壁のFRP作業はまだ残っていたりするけれど明日は外側のブルーシートを取り払う事にいたします。この所の強風でバタバタと
騒音を発生することもあるからです。それと外してしまえば何とか星が見られるかと思いまして・・・
いよいよ25日の土曜日はドームご開帳?!ということになります。

3月25日(土)今日の作業はこの4コマのようにブルーシートを撤去したので素地のドームが現れました。
もう少しの所でFRPの樹脂が無くなってしまった事から2缶目の20Kgを注文しました。
とプラネタリウム着するまでこの状態です。
少々樹脂をケチったところが泡状になっています。
側壁も交換し周りを全てFRPで覆い台風に負けない構造にします。
ドームの内壁は後日。ドームは何色にするか思案中です。
これで今夜は星が見られそうです。
  初めて女房が天文台とやらを見てドームの中に
  足を運びました。
 テレビで歌をやっているのに・・・と言いながら
  暗いからあぶないのに・・・
  と
  言いながら。
  土星のちっちゃな
  輪っかが
  一人前に見え
  それでも土星
今まで天文台つくりに
  一歩も足を踏み入れなかった
女房の存在は
  土星にも匹敵する
  偉大さかな・・・
  ?!
デジカメを使用し手持ちで撮影したもの。
小さいけど私の天文台で初撮影

田崎星 たざきぼし

牛飼い座の一等星アークトウルス
この望遠鏡の元の持ち主は亡くなった田崎亨君の20cm反射
赤道儀(高橋製作所MT200JP型)その望遠鏡の直接焦点で
30秒間露出して撮影した黄色味がかっている太陽に似た恒星です。
田崎君が亡くなって7回忌を迎えるにあたってようやく天文台が何と
か整って撮影することができ「ホッ!!」としております。我々、
夫婦が弟のように慕って仲人もさせて
いただいたのに病魔には負け逝ってしましいました。その夜、
ふと夜空を見上げるとこの牛飼い座の一等星アークトウルスが
あまりにも強烈に光、輝いていました。
私はこんなこと普段は思ったことも無いのですがなんだか田崎君が
微笑んでいるように感じ「田崎星」と
この星を思うようになりました。
このようなことを連載していた新聞のコラムにこの思いを書いたとき
お母さんが読んで下さりお墓にこの「田崎星」の墓標を作ってくださ
いました。
今夜も田崎星は黄色にいや特に金色に美しく輝いていました。
田崎星と同じ条件で撮影したミザール
スケールが分かると思います。
大熊座の北斗七星の尾から2番目の星はこのように二つの星が
集まったものです。双眼鏡でも見え、トルコの兵士採用にはこの星
を目試しテスト用としていたそうです。
27日になって樹脂が届きました。覆いを又、しましたが体調と天気の
良い日を狙って外加工します。
MT200には双眼鏡や小望遠鏡(ボーグ)も
同架し彗星の確認に役立ちそうです。
3月31日の姿。
再び毎日新聞の取材があり急きょビニールをはずした。

これで大きさなどがお分かりになるでしょう。
毎日新聞記者 坂本昌信さんに撮影していただきました。
ついでに外側のFRP二層塗り明日1日で決まりそう。
その後塗装に入ります。
4月1日付 毎日新聞福島版 大きく報道されました。
 この新聞拡大
4月1日。待ちに待ったドームの完成です。
今日は外側の前面FRP樹脂塗り終わり。夕刻には塗料を買いに行き
グレーに塗りました。
暗くなってしまいましたので少々ムラがあり又時間を見て二度目の塗りを
行います。
塗装していたら日食後のこの月が見えたので撮影してみました。
口径20p反射赤道儀(タカハシMT−200 JP型)焦点距離1200o
直接焦点撮影 
Fuji FinePix S2 Pr ISO800で露出3秒
暗い部分の地球照という現象が表現されているでしょう。
4月4日21時55分撮影のお月様。天文台までこのパソコンから歩いて20歩は最高の撮影条件。
望遠鏡を買いたい方はいつでもMT200で星をお見せいたします。
どうぞお近くのかはご連絡をください。
こんな望遠鏡がほしい!という方もご相談に応じます。
赤い部分は頭をぶっつけないようにとのシャッポ。 4月6日 内面は不織布でボテ張り開始
このように内部はすっきりとしました。 4月6日20時。半月のお月様とこのあと雲って彗星は検索できず。
強風のドーム補強金具取り付け(5ヶ所) 手が届かない箇所には細い鉄筋を引っ掛けるようにしようかと思います。
ドームの外壁はグレーにしてみましたが少々くらいですね。
4月9日(日)ドームの内部はほぼ見通しが・・・
外の部分には一面にパテを塗りガラス繊維の部分を滑らかにし
てみました。半分だけなので又、時間を見て塗り、塗装もやり
直しとなるでしょう。
ドームの一段目は部品の交換などでいつでもはずされる構造とし
FRPの球体を張り詰めました。
又回転部分は全てキャスターにしたら静かに
ドーム全体が回転するようになりました。

4月18日の状況
グレーからクリーム色に塗り替えてみました。表面の凸凹は大目に
見てください。どうにかここまで出来上がった!と満足することなく
増築?二踏み切り西側に少々膨らませました。
すると雷見たさの小型アクリルドームをつける小部屋も製作開始し
ました。雨が降ろうと頭上が観察でき、雷も撮影できるスペースです。
ドームの北側に作っています。
写真左は東側の畑から撮影したもので今年は桜が
満開なのに梅も遅まきで満開です。

5月1日 今まで幾度か観測しているとドーム内が周りの明かりで明るくなってしまいます。
思案した結果ドーム内の塗装がクリーム色なので光を反射することによるものと判明。
つや消しの黒を塗ってみました。光害の中にある天文台の内面は白系統ではだめなことに気付きました。

5月3日 今日は久々に青空が濃いお天気になりました。
ドームの外側はクリーム、そして内面はつや消し黒色と状況に応じて変色させました。
我が家は東側は阿武隈川が200メートル先であったり阿武隈山系をその
向こう側に控えているので光害が少ないロケーションです。
現在彗星が東側にでているので好都合です。

天文台の外には小型のガイド用赤道儀がセットされ広角の撮影に適しています。


5月6日(土)この天文台の望遠鏡の元の持ち主、故田崎亨さんのお母さんと弟さんご一家の訪問。

お母さんも早くからこの天文台完成を望んでいただいたひとり。
亨君が希望していた「自宅の天文台」を間接的に作りあげた本当の完成日は今日かもしれません・・・・・・
ことのほか喜んでいただきありがとうございました。


亨君の想い出のページ

弟のように思っていた亨君。彼の仲人までさせていただき彼の行き付けの溜まり場は
鍋を囲んだりして笑いがいっぱい。

亡くなる前日に2時間かけて見舞いに行ったのも想い出に。
彼の目になり望遠鏡を見、続けなければ!!


5月X日 
天文同好会の佐藤光事務局長が見かねて塗装を施してくれた。
2日がかりで見違えるようになりました。
ありがとう!

製作過程に応じて更新します。何か製作工程でご質問があればメールください。

この自宅の「天文台・星の狩人」の来客集ページを新設しました。
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